ヱヴァンゲリヲンQに関する考察など

エヴァを観てきました。賛否両論の最新作です。

思えば、エヴァ劇場版は常に賛否両論です。この新作「Q」にしても、「最高傑作」と絶賛する人もいれば、「エヴァはもう終わった」と言う人まで様々です。
前作「破」にしても、生粋のエヴァファンである当バンドのベーシスト一戸君は「最高だった」と言い、僕は「なんだか違うなぁ」と、こんなに近い間柄にも二つの正反対の意見があったわけです。

ここで少し振り返ります。
ご存知かとは思いますが、新劇場版ヱヴァンゲリヲンは「序」「破」「Q」と公開されてきました。
「序」はTVシリーズとの変更点はあまり多くありませんが、映像がとても綺麗になった事、使途の呼び名・形状が変わったことなどが挙げられます。当時は、とにかくその映像に驚いたように思います。
次に「破」です。ここでTVシリーズと大幅に変わりました。新キャラが登場し、ストーリーも変わり、シンジが強い男になります。TVシリーズとのそういった違和感を受け入れることが出来ず、当時の僕は戸惑いました。何故、庵野監督はこんなストーリーを作ったのか。何故、シンジがあんなに強いのか。何故、カヲルが月から降りてくるのか。
しかし、「Q」を観る前にこの作品を改めて観賞したところ、作品自体をただ楽しむことが出来ました。なんとなくではありますが、「なるほど、こういう事か」と。「一戸君が感じたのはこんな気持ちだったのか」と考えることが出来ました。おそらく、公開当時に一度この作品を観ていること、また公開から二年も三年も経ち自分の考え方にも変化があったことが、その理由だと思います。

さて、ここからが本題の「Q」に関してです。

「破」が公開された頃と大きく違うのは、ツイッターフェイスブックが広く浸透した事です。探さなくても自然と情報が流れるこれらのメディアの特性上、見ようとしなくてもネタバレツイートや感想などが流れてくるようになったのですね。幸いにも僕のTLにはネタバレは流れてきませんでしたが、感想は多く流れてきました。
前述のように、それらは賛否両論です。
その感想の中には「こんなのはエヴァじゃない」なんてモノまであります。
そして、そんな事を言ってしまう人は生粋のエヴァファンを名乗ったり、庵野作品のファンを名乗ったりします。

こんな感想を目にすると、なんだかなぁと思わずにはいられません。
ファンを名乗るならば、進化したであろうエヴァの姿を受け入れるべきではないでしょうか。TVシリーズを作った庵野監督が、新たに作り出したエヴァの姿を素直に受け入れるべきだと思います。
もとからファンの多いエヴァですので、「この先はこうなるべき」とか「エヴァならこうなるはず」のように、ファンの考えが一人歩きをしてしまった結果、この事態を引き起こしているのでしょう。

「こんなのは思っていたのと違う」などと言う前に、庵野監督が何故こんな作品を作ったのかを考える方が余程建設的ですよ。一人歩きする前に、少し留まって考えてみようぜ、と言わずにいられません。

個人的には、とても満足でした。庵野監督はこの一連の新劇場版で、ファンの夢を叶えます。心の温かな綾波や、ちょっと優しいアスカ、強いシンジ。そして、「Q」では長めにカヲルが出てきます。
友人の一戸君もやはり、大満足だったようです。ファンなら満足の内容だとは思うのですが、そう思わない方も一部いらっしゃるようですな。

「序」でゆるやかに始まった新劇場版は、「破」でTVシリーズにあった設定などをぶち破りました。そして、「Q」では大きな問いを観る者に投げつけます。
次回の新劇場版最終章にはどんな結末が待つのか。公開はいつになるのか。不安もありますが、とても楽しみです。
その前に、もう一度「Q」を観たいと思います。