【読書感想文】津田大介「ウェブで政治を動かす!」

先日はこの本の要約を書きました。今日はその感想を書きます。

一章から終章(九章)までを各140文字で要約するというのは、非常に難儀でした。この要約にはソーシャルメディアという単語が多く使われています。一つの単語で9文字にもなるのですが、この単語を使わない事には要約は不可能だろうと思い何度も使いました。それはつまり、「ウェブで政治を動かす」事を可能にする為にはソーシャルメディアは欠かせないツールという事に他なりません。
言い替えるならば、ツイッターフェイスブック、あるいはニコニコ生放送ユーストリームなどが日本でこれほど浸透したからこそ、「ウェブで政治を動か」せるようになったのでしょう。

要約では省きましたが、この本では様々な事例も紹介されています。
アメリカ大統領選の討論会でツイッターが活躍した事、英国の「You Choose」というサービス、日本の「放射能モニタリング情報」など、数年前では考えられないような事例が多数あります。

しかし、この国においては自分の意見を政治に反映させる手段は選挙しかありません。ネット選挙と言っても、現段階ではネットで投票まで行う事は考えられていないので、結局は自分が自らの手で投票に行く事により、初めて政治にコミットできる事になるのです。
ソーシャルメディアやウェブを効果的に使う事によって、政局ではなく政策ベースで政治家や政党を捉え、その上でどんな政治家に投票をすべきかという判断をし易くしていく。
オープンガバメントや「GOV2.0」の実現はその為には必要不可欠である、と終章では語られています。


結局は、まず自分で政治や政策に興味を持つ事が肝心だと思います。
ソーシャルメディアやウェブは、その興味を助けるものでしかないという事を認識しなければいけません。
ただ単に、PCの前に座ってウェブを見ていても世界は変わってくれないし、自分の望みも叶わないでしょう。
僕は音楽をやっていますので、著作権法改正などに関する活動から津田氏に興味を持ち、さらにACTAやTPPの知財権への影響に関して調べるようになりました。
これは何も、他の誰かの為ではなく、まずは自分の為です。当事者としての意識を持たなければ、政治に興味や関心を持ち、さらにそれを変える事は出来ないのだと思います。

先日の要約では本の最初と最後、「はじめに」と「「おわりに」に代えて」の部分は載せておりません。
その理由は二つあります。どう要約すれば良いか見当がつかなかったから。そして、この部分にこそ津田氏の伝えたい事が書かれているのでは、と考えたからです。
最後に、「「おわりに」に代えて」から一文を引用したいと思います。

この本で述べられた程度の「理想」すら実現しないのなら、日本の未来はいよいよ暗い。


日本と自分の未来を明るくする為に、僕はウェブで政治を動かしたいです。
少子高齢社会という事で、デジタルデバイドなどもかなり気になります。しかし、今より一人でも多くの方が政治・政策に関心を持つ事で、世界の何かが変わるのだと思います。